中学生・高校生の方へのメッセージ
皆さんは心身共に大人に向かって成長しています。
大人になるということは、親になる身体になったということです。
異性に対する関心が高まり、好きな人ができてきます。
好きになると、いつも一緒にいたくなるのは人間の自然な気持ちです。そしてお互いに触れ合いたくなります。手を繋ぎ、キスをしてお互いを深く求める様になります。
しかし、覚えておいて欲しいのは、性には3つの側面があるということです。愛情を深める連帯性、妊娠し出産するための生殖性、そしてお互いの触れあう気持ちよさの快楽性です。
性にはパートナーが存在しますが、相手とあなたは決して同じではありません。
相手は一人の意思を持った人間であり、あなたの所有物ではないのです。自分の都合だけで行動するなど、決して快楽性のみを求めない様にしましょう。
性交を始める前に、性に関する様々な学習をして、知識を深めてください。
自分の性の健康に向き合う ~学習のポイント
1自分の身体と異性の身体の生理
中学から高校生の時期は、男女の身体が大きく変化する時期です。自分の身体はもちろんですが、異性の身体の生理についても勉強しましょう。将来お付き合いを始めたときに、相手の性について理解でき、優しい心遣いができます。
2妊娠のしくみ
妊娠することの意味や妊娠しやすい時期、妊娠に伴う自覚症状などについて学習しましょう。自分の体の変化に、いつも敏感でいたいものです。妊娠に気付かないまま出産してしまった、ということにならないように気をつけましょう。
3人工妊娠中絶
もしも、妊娠した場合には、必ず産むか、中絶するかの選択しかありません。人工妊娠中絶を選択するならば、一定の時期までにしないとできなくなります。中絶の時期が遅れると、入院の必要があり、費用も高くなり、母体への影響も大きくなります。妊娠12週までに受診しましょう。
4性感染症
性感染症は、性行為に伴って感染する疾患をいいます。代表的なものは、クラミジア感染症、淋菌感染症、尖圭コンジローマ、ヘルペスです。これらの症状についても勉強しておきましょう。これらに感染しているとHIVに感染しやすくなります。性交を開始したら、時には感染症の有無をチェックすることも大切です。
5性交の開始と責任
性交の開始は、お互いに相手に責任が取れるようになってからにしましょう。開始する前に、性交に伴う、妊娠や性感染症に関する知識を身につけて、性交に伴う問題を回避できるような行動が取れるようにしておきましょう。
6デートDV
相手が親しい友達であっても、性交はお互いの意思でするものです。デートしていて相手の意思に反して性的暴力を行うことをデートDVといいます。特に女性は、恋人だからと我慢する必要はありません。いやな時ははっきりNOと言えることが大切です。何となくいえなくてNOと言わないことを、YESだと勘違いする男性もいるのです。
7異性の心理
異性の心理を知ることは困難なものです。考え方や判断の基準が全く異なります。男性と女性では、大切にするものや、表現することも異なります。お互いに自分の心を相手に伝える努力をすることで、理解できるようになります。